
- 若い人には頑張って欲しいわぁ!
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大阪名物のひとつに「難波蓬莱551の豚マン」というのがあるのをご存知でしょうか?正確に言うと難波という場所にある「蓬莱」という中華料理屋の豚マンのことなのですが、テイクアウトものの草分け的存在で、大阪人なら誰もが食べたことがあると言っても過言ではない逸品です。
ちなみに大阪では「肉まん」とは言いません。豚肉を使ったものは「豚」を強調します。だから「豚マン」周りはふかふか系、中身は濃厚で旨みのある逸品です。
大きさはコンビニなどで売っている肉まんの軽く倍はあるでしょうか、容量の目安としてはマクドナルドのビックマック一個くらいです。ともかく美味しくてボリュームたっぷり。平均的に男性は二個、女性は一個食べたらお腹一杯になる感じです。
新大阪の駅でも売っているので、興味のある人は一度食べてみてください。ただ、豚マンなので、かなり匂いがあります。新幹線に持ち込むと、迷惑に感じる人もいるでしょう。
さて、ここまで長々と書いたのには理由があります。というのもこの間、新大阪から東京に向かう新幹線に乗ったのですが…その時、横に若い男の子が乗り込んできました。窓際に座っている私の頭上の棚に荷物を上げる時も「すみません」とちゃんと言うような礼儀正しい青年でした。
そして座ると、ロング缶のビールを一本と、な、なんと6個入りの蓬莱の豚マンをドンと出したのです。
私は心の中で「ええええ!嘘やん。ひとりで6個食べるん?」とツッコミを入れてしまいました。そして、ふと横を見ると、なんと通路をはさんで向こう側に仲間らしき青年が3人座っていて、同じように6個入りのひと箱ずつ持っているではありませんか!
「6×4=24…女子24人分の豚マンが目の前に。そして4人しか居ない青年たち…うおおおお!マジかこいつら!」と衝撃を受けて見つめておりました。
周囲の人も数が多いので強烈な匂いがしたのでしょう「誰や?」というような目で見るのですが、その光景を見ると半笑いになって、事の顛末を楽しみにしている様子でした。
くだんの若者たちはビールで乾杯すると楽しそうに喋りながらパクパクと豚マンを食べていきました。こうなると一種のショーを見ているようなものでした。
と、ところがですよ!そんなに周りを楽しませてくれたのに、全員が3個目に入るとペースが落ち、ついにはみんな「これボリュームあるね」とか言いながら止めてしまったのです。この時「おーい!止めるんかい!お前ら考えて買えよ。」と心の中でツッコミを入れなかった人は居なかったでしょう。
後は、それまでのワクワク感を返して欲しい残念な気持ちが残っただけ。むせかえる豚マンの匂を感じながら東京まで行きました。
ちょうどオリンピックの時期なので気持ちが体育会系になっていたのでしょうか「若者たちよ!一人くらい食い切れよ!」と、何度か口に出しかけた2時間強の旅でしたねぇ。