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大阪ん♪ラプソディー

ざんない話
 「ざんない」というのは古い大阪弁で、残念とか、もうちょっとどうにかならないのか? という表現である。
 「あの子の仕事、ざんないわぁ=あの子の仕事は雑で見てられない」「ざんない事言わんといて=今ここでする話じゃないでしょう」と、用途はかなり広い。
 なんでこんな事を書いてるかと言うと、ざんないものを立て続けに見てしまったからだ。ひとつは近所の大手商業施設に行った時の事だった。
 スーパー、家電量販店、スポーツジムにフードコート、イベント広場などを備えたパラダイスである。毎日のように買い物に行っているし、脚本を書いてる時には頭を休めるためにカフェも利用している。
 この間、そこのトイレに初めて入った。ふと見るとトイレットペーパーのボックスに鍵がかかっていた。それを見たとたん「ざんないわぁ」とつい口から言葉がこぼれたのだ。
 そりゃあトイレットペーパーを盗む人がいるのかもしれない。しれないが、大手の商業施設である。鍵を付けるくらいなら他の施設でも見かける取れないタイプのペーパーホルダーに替えるくらい容易なのではないだろうか。
 経営側はこういう所をケチるってことは、他でも色々やっているんだろうなと思われるのが分からないのだろうか。あまりにもざんない。
 もうひとつはJR森ノ宮にあるカレー屋のランチの事だ。その店の名誉のために最初に書いておくが、カレーはメチャクチャ美味しい。私は下手をしたら週一くらいの割合で通っているくらいである。
 しかし、ランチに付いてくるゼリーがあまりにもざんないのである。サービスとしてデザートが付いているという事なのだろうが、直径10センチくらいのプラスチックのお皿に幅3×5cm、厚さ7mmくらいのゼリーが2枚ほどペロンと入れられている。
 見た目もひどいが、味も「なにこれ?」という代物なのだ。しかも、お客はカレーが美味しいから行くので、そのゼリーにほとんど興味を示していない。こんなものわざわざ作って出すくらいなら、デザートの代わりにガムの一枚でもレジで渡した方がよっぽどお得感がある気がする。
 最後の話はぐうたらな主婦の友達の話だ。コロナ禍ですっかり出不精になり、買い物に行くのも面倒くさいらしいのだが、この間お風呂に入ったらシャンプーが切れていたという。
 「あ、また買うの忘れた」と思いつつ、すでに何度も水増して使い切ったシャンプーだったので、さすがにもう一滴も残っていなかったという。
 彼女は仕方なく周りを見回した。すると風呂場の横の洗濯機のところにソフランが置いてあった。
ソフランというのは洗濯の時に使う柔軟剤である。
「これでもいいか」そう思ったらしく、頭を洗ってみたという。もちろん、えらいことになったみたいだが、不精にもほどがあるではないか。ほんまにざんない事は止めてぇ~と忠告したい。
 あなたの周りにはどんな「ざんない」ことがありますか?