
- 憧れ
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子供の頃に憧れたものは一生忘れないと思う。あなたは何に憧れただろうか? 昔は男の子のなりたい職業ナンバーワンは警官とか、学校の先生だった。女の子は看護婦さんと答えたものだった。今の男の子はユーチューバーになりたい子が多いらしい。女の子はお花屋さんや、ケーキ屋さんとか。時代は動く。変わるんじゃない、動くのだと思う。
私は忍者に憧れていた。「伊賀の影丸」という漫画を読んで忍者になりたい!と言ったのは幼稚園に行く前だったようだ。
そう言うと、母が「よっしゃ、忍者にしたげる」と答えて、大阪城公演の敷地内にある修道館という道場に連れて行ってくれた。今思えば、母はなぜそんな行動に出たのか不思議だが。
ともかくそんな理由で剣道を習うことになったわけである。私は「いつになったら忍者みたいに刀を背中に担げるんやろう?」と思いながら稽古に励んだものである。永遠に担げなかったが…
「憧れ」大切な感情だ。特に子供の頃に抱いた憧れの感情は一生自分の性格の核になる。…ということは、忍者に憧れた私はどうしても表に出るより陰にいたがる性質なのかもしれない。俳優でいるより演出を好む性格も忍者のスピリッツが起源? と思ってしまう。
先日、近所のスーパーで買い物をして、マイバックに食材を詰めていた時の事だ。小学校の低学年くらいの年頃の男の子が落ちていたゴミをさっと拾ってゴミ箱に入れて去って行った。
「おお! やるやんちびっ子」と思って関心した次の瞬間、彼が明らかに大谷翔平君の影響を受けているであろうと思い立った。
いまアメリカの野球ファンが成績だけではなく、その人間性や言動に舌を巻く二刀流の怪物、大谷翔平。高校生の頃に書いた一流の選手になるための計画表の中に書いてあった「ゴミ拾い」という文字通り、大リーグの球場のフィールドに落ちているゴミをサッと拾って後ろのポケット入れるという姿が報道されている。
アメリカ中の野球ファンがそれを見て「なんという素晴らしい選手だ!」と称賛している。本人は「ゴミを拾う時は、誰かが捨てて行った幸運を拾うと思っている。」と言っている。神か? という性格の良さである。
そんな大谷に憧れてゴミを拾う男の子が増えるのなら、悪くない。うん、憧れって良いな!と思う。私がスーパーで見たあの男の子もそうであってほしいと思う。
そして彼の中に、礼儀正しくすることが世界を良くするという憧れの種がしっかりと根付いてほしいものだ。
いやぁ、子供の時に何に憧れるかで人生変わりますよね。忍者やったからなぁ私…。