1. ホームへ戻る
  2. 大阪ラプソディー
  3. 大人の喧嘩

大阪ん♪ラプソディー

大人の喧嘩
うちの旦那が大喧嘩をした…らしい。 見てないのでどんなものだったかは聞いただけだが。勤め先の上司が自分の顔を鼻先にまで近づけて来て暴言を吐いたのが事の発端だ。
 夫はその最中に2回「これパワハラですよ」と言い返したが、彼は止めなかったそうだ。同僚が居たので「証人になってや」と言うと、その人は頷いたという。そこで夫は本社に電話をかけて「パワハラされました」と報告したのだった。
 要するに喧嘩は一方的に上司がキレてきたということになる。 上司68歳、我が夫56歳である。「ええ歳して、そんなことある?」と思うが、小さな会社なので問題になった。 夫はその後、社長夫人に事情を説明しに本社へ行き、反対に社長さんがそのキレた上司に事情を聞きに行った。
 すると、キレた上司は「自分が言い過ぎた。会社に迷惑はかけたくないので自分が辞めます。」とあっさり認めたらしい。しかし長年勤めた会社をそんな理由で辞めると言い出すなんて、大人としてはちょっと考えられない。当然社長さんは「そんなこと言うな」と言って引き留めた。
 さてその間、うちの旦那は自宅待機となった。「ともかく気が落ち着くまで会社に来なくていいから」という配慮だったそうだが…その時点でも私が不思議に思っていた。普通キレた人が帰されるではないのか?と言う疑問だ。
 うちの旦那は声がデカい。元々役者だったのでそれは仕方ないのだが、それに性格がはっきりしている。いやし過ぎている!その分、周囲に「あの人はキツイ」と誤解されることが多い。それに何に対してもコメントが多い。
 例えば何か食べて美味しかったら「美味しい」を10回は言う。反対にダメなことも「それはアカン!ダメや」を10回は言う。と言った具合だ。なので私はしょっちゅう「何回も言わんでええ」「うるさいねん」と言うのだが、本人はベースがそれなので言ってるつもりはないのかもしれない。
 彼は当日、社長夫人に「あんなこと言われて、もう一緒に昼休みとかの時間を過ごしたくない」「一緒の空気も吸いたくない」「上司を辞めさせてほしい」など鬱憤をぶちまけたという。ここで想像が付くのは会社側はキレた上司よりも、パワハラだと主張した夫の方が問題児として扱われたのだろうなという事だった。「そこまで言うか?」という恐怖感が募ったのだと思われる。
 大人は普通、喧嘩はしない。どこかで自制が効き、もめ事を避けるものだ。たとえ相性が悪くても4人しか現場に居ない会社で事を荒立てることなど考えられない。ということは定年まじかの上司もかなり夫に対して何か溜まっていたのだろうし、キレたことを認めるくらい「やっちまった」わけである。
 結局、2週間も自宅待機していた夫は社長に呼ばれて手打ちをすることになった。それが今日なので結果はまだ知らない。いずれにしても「キレられた」にも関わらず、しょっぱい思いをするのは「過度に騒いだ」と見られた夫の方だろう。
 喧嘩はやめて~♪二人を止めて♪と言う歌があったが、一旦してしまったらなかなか止められないのが現実だ。