1. ホームへ戻る
  2. 大阪ラプソディー
  3. あだ名

大阪ん♪ラプソディー

あだ名
4年ぶりに小学校の同窓会が行われる。卒業してから32年間も会わなかった我々だが、会い始めたら懐かしさに、新しい友情が加わってしょっちゅう会っている。そしてW杯のある年は先生を呼んで正式に会を催すのだ。
 そう、今年である。秋に行われるのだが、その前に運営委員会と勝手に名乗っている近所の面々で飲み会を頻繁に繰り返している。飲みたいだけなんですけどね。
 その中に「ばーちゃん姉ちゃん」というあだ名の友達が居る。私が子供の頃、大阪では形容詞に形容詞をかぶせるという、あだ名が流行っていた。
 「ばーちゃん姉ちゃん」というのは、おばちゃんっぽい女の子のことである。「おばちゃん」に見える「お姉ちゃん」という意味だ。反対にオッサンぽい男子は「ジーちゃん兄ちゃん」と呼ばれた。
 他には、男の子っぽい女の子なら「兄ちゃん姉ちゃん」とか。(実は私、そう呼ばれてました)ちなみにオカマっぽい男は「姉ちゃん兄ちゃん」。実にバカバカしい呼び名だが、語呂がいいので大人も使っていた。例えば太っている男の子は「ブーちゃん兄ちゃん」普段からアホなことばっかり言ってる子は「パーちゃん兄ちゃん」などと呼んだものだ。
 バリエーションで、下はその子の名前で言う場合もあった。おばちゃんっぽいアキコちゃんなら「ばーちゃんアッちゃん」とか、気の強いヨシコちゃんとかなら「キーちゃんよっちゃん」と、すでに原型を留めない呼び名も有りだった。
 究極は女の子らしい女の子を「姉ちゃん姉ちゃん」男の子は「兄ちゃん兄ちゃん」とダブル盛りしていたことだろうか。昭和の香りプンプンだが、我々もすでに50代。かつて「ばーちゃん姉ちゃん」だった友達が「私、これからはもう、ばーちゃんばーちゃんでええわ」と言い出して、大爆笑になった。いや、もうそんなあだ名で呼ばないし、恥ずかしいからと宥めたが、あまりにも本人の容姿にピッタリなので結局定着してしまった。
 友達同士だからまぁいいのだが、ホテルのロビーなどで待ち合わせた時に「ばーちゃんばーちゃん」とは呼びにくい気もする。あだ名は聞かれて恥ずかしくない程度が宜しいようで。