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大阪ん♪ラプソディー

感謝
新聞に「父の日に欲しかったもの」という記事が載っていた。世のお父さんたちに、父の日に本当に欲しかったものを聞いたものだ。
 「ネクタイを貰ったが、本当はビールが欲しかった」とか「食事券をもらったが、一緒に食べに行く方がよかった」など、父の本音を聞いた後日談だ。その中で本当に欲しかったもの断トツトップが「家族からのメール或いはライン」だった。
 実に泣ける。(実際には大笑いしてしまったが)物品よりも感謝のメールとか、ラインスタンプが欲しいなんて、いかに日ごろ蔑ろにされているか分かるではないか。
 ちょうど父の日に主人と串カツ屋で食事をしていたら、やたら家族連れが多かった。みんなお父さんの食べたいものを食べに来ているのだなと周りを見ていた。ちょうど私たちの横の席にも4人家族が居たのだが、乾杯する時に奥さんと2人の子供が「おめでとう」と言った。すると父は「ありがとう」と答えていた。
 「ん? この場合お父さんは「ありがとう」言われる方ちゃうかしら?」とちょっとツッコミ入れそうになったが、まぁ偶然誕生日の人だったかもしれない。いずれにしても支払いは当人なんだろうなぁと眺めていた。それでもどこのお父さんも嬉しそうだった。
 友人は息子から電話がかかって来て「どうした、事故かなんかやったのか? トラブルか?」と開口一番聞いたという。普段息子から電話なんてかかって来ないもんだから、よっぽど何かあったのかと思ったらしい。息子の方は白けて「何もないよ、父の日だから。いつもありがと」と言って切ってしまったとか。そのアッサリした切られ方で友人は2重に凹んでいた。「せっかく感謝の電話だったのに、なんで事故かなんて聞いたんだろう。あんなこと言わなきゃもう少しにこやかに喋っていられたのに」ということだ。
 日本の父親と言う人種はどうも照れ屋で、不器用だ。母親たちは母の日に何かしてもらうのは当然だと思っているが、どうも親父たちはしてもらえると思ってないところから始まるようだ。母はプラス思考、父はマイナス思考ということなのだろか。
 中には「父の日があるだけでも有難いことです」と言った人もいた。父の日をもっとメジャーにしてあげたい気持ちでいっぱいだ。 (だいたい母の日のひと月後にありますからねぇ)