
- 骨の折れる話
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骨折した。真夜中まで脚本を書いていて、階下のリビングに降りて行ったら、最期の一段を降りた時に何か黒いものを踏んでびっくりして足を上げたら滑って転んだ。
右足の甲からブチッと鈍い音がして、痛みが走った…やっちまったなと思って次の日医者に行ったら、案の定、小指の付け根当たりの小さい骨が折れていた。
で、生まれて初めてのギプス生活である。困った…我が家は敷地が15坪しかないので細長い四階建てなのだ。風呂は一階、リビングが二階、三階がベッドルームで、四階が物書きをする仕事部屋だ。つまり一階から四階まで絶対に行き来しないと生きて行けない家である。
松葉杖なんか突いていられないいられない環境であることは間違いない。階段を上がるときは膝を使い、下りる時は座った状態。その他は家じゅうをケンケンして飛び回るという生活が始まった。右足に体重が掛けられないので、つねに左足で立っていなくてはならない。
何が辛かったかと言って、そのせいで全身筋肉痛になって2日目にはベッドから起き上がれないかと思ったことだ。旦那にエアーサロンパスを買ってきてもらって、各階に置いて筋肉通防止のために振りまくった。とくに階段を下りる時に右足が伸びたまま左足一本でしゃがむので、完全に一本足でスクワットをしている状況だった。
7年前に鎖骨を折ったことがあったので、その時に一番困ったのはブラジャーが出来なかったことと、料理をしようとしたらフライパンが振れなかったことだったが、足の骨折は一軒家には向かないことが判明した。
前回の骨折の時には思わなかったが「お骨折り頂いて恐縮です」「骨折り損のくたびれ儲け」など骨に関することわざが何故昔からあるのがやっと分かったような気持である。ギプスをしてるので痛くはないがともかく不便だ!おかげで左足も腕もムキムキである。アラ還の女にこんな筋肉要らんやろ?という感じだ。
あ、ちなみに「ギプス」ですからね。日本人は言いやすいということで昔から「ギブス」だと思ってる人が多いようです。約ひと月も四階建ての家を行き来する生活、正直本当に骨の折れる思いですっ!皆さん、夜中の階段にはお気をつけて!