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大阪ん♪ラプソディー

マナーの行方
最近、電車に乗るマナーがなっていないという新聞記事を読んだ。昔は降りる人を待って、それから乗り込んだものだが、今はそうではない。降りる人を押しのけて乗車する。嘆かわしい事だ。という話である。
 確かに、電車であろうが何であろうが、乗り物は降りる人が優先だ。新幹線などではそのへんはキチンと守られている。
 なぜか? ほとんどが指定席なので焦る必要がないからだろう。自由席では多少の争いはあるが、なんせ出入り口が一人ずつしか乗り降りできないようになっているので、並んで待つしかないから、自然と行儀よくなる。それしかないので従っているに過ぎないとは思うが。
 しかし街中を走っている普通の電車ではそうはいかない。で、ひとつ言いたいことは「じゃあ、降りる人はキチンとしているのか?」という問題である。
 電車に限らずデパートや病院のエレベーターでもそうだが、乘る人が待っているのに携帯電話を見ながらダラダラ降りてくる輩。ぺちゃくちゃ喋りながら降りてくるおばちゃん。友達とふざけながら、なかなか降りてこない子供。「早ぅ降りて!」と内心でイライラしながら待っていると、いろんな降りない奴を観察することになる。
 そういう人たちは、降りる人間は優先されているという意識があるから、安心しきっている。それが下品な行いだという事が分かっていないのだ。そう、与えられた優先権をわが物顔に使うのは品のない行為だ! 待っている人のためにさっさと降りる。それこそが賢い人間のすることである。そういう行動が本当の「おもてなし」だ。
 そんな話を友人にしていたら「その反対でメッチャ困ったことあるわ」と言い放った。彼女は先日までイタリアに行ってきたらしい。なかなかの東洋美人で、人目を引く人だ。
 「電車を待っていたら、中から降りる人が『お先にどうぞ』ってジェスチャーしはるねん。あの国のおっちゃんら、女に優しすぎるわ」という話である。
 おお、そういえば30年ほど前にフランスに行った時に、赤信号なので道を渡るのを待っていたら車が止まって、運転していた男性が「どうぞ通っていいよ」と合図されたのを思い出した。「いやいや、赤信号やん! 交通ルール守りなはれ」と大阪弁でツッコミをいれたが、通じなかった。
 交通規則に関しては、民族性とか、自分の都合とか、そういうものを優先せずに、粛々と守って欲しいものである。一番迷惑なのは何も感じてない人が、当たり前に守ってないことだが。
 是非とも「降りるマナー」を守れる人の多い国を目指したいものではないか!