
- 門前の小僧
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最近のSNSというのはサービスがいいと言うか、お節介と言うか…何か買ったら「こんな商品にも興味あるでしょ?」と勧めて来るし、ちょっと覗いたサイトに関連する動画などがすぐに送られてくる。
今年の3月にネットフリックスで新着お勧めということで「逐玉」という中国ドラマを見た。色々噂のあった作品だったので興味本位で覗いてみようという程度だった。しかしまぁ出てくるキャストが全員イケメンに美女揃いで「中国の俳優って凄いなぁ。当たり前か14億人居るねんから」なんて思っていたが、元々80年代の香港映画にハマっていたので40話、飽きもせずに見終えた。
すると、それからというもの「このドラマ好きなら、これも見るでしょ?」というお勧めがひっきりなしに送られてくるようになった。全部中国ドラマで、その俳優さんのインスタの情報や、バラエティドラマまで。そのファンの人たちの書き込みも読んだりしてたらすっかり詳しくなってしまった。
興味深かったのは中国の俳優さんたちはファンの言動まで自分たちの責任下に置かれている状況だという話だ。たとえばファンの誰かが親日だったとして、その人と俳優が仲良く写真など撮ったら本人も親日だということになり、当局に目を付けられるらしい。
その「逐玉」というドラマは日本でもブレイクしてにわかファンが増え、主演男優に向けて「日本にもファンミーティングに来て欲しい」なんて書いてる人が多かったのだが、昔からのファンのお姉さま方が「本人に迷惑がかかるから書かない方がいい」「歴史や国の事情を知らないで騒がないで、大人しく見てあげてください」なんて意見が飛び交っていた。確かに各俳優さんたちがファンサービスのために毎日のようにインスタなどに顔を出すのだが、日本のファンに向けてのコメントは一度も見たことがない。こんなところにも政治が絡んでるのだなと改めて勉強になった。
また3月と言えば、韓国のトップアイドルグループBTSの復活コンサートの様子も賑わっていた。以前からチラチラ見てはいたが7人の顔が判別するほどではなかった。7人が次々に兵役に行って、久しぶりにフルメンバーでコンサートが出来るようになったことくらいは知ってはいたが、ちょっとⅩでニュースを見ただけでドンドン関連動画や、コメントが送られてきて遂には7人の名前も顔も判別できるようになった。
しかもあんまり数が多いので「フーリガン」という曲の頭の振り付けまで覚えてしまった。それを稽古場で踊ってると若い俳優に尊敬されたりして、凄いファンだと思われているようだ。邪魔臭いのでそのままにしている。
それから3月に千葉の市川動物園というところで、一匹の日本猿の赤ちゃんが話題になった。なんでも去年の7月に生まれたのだが母親が酷暑で育児拒否してしまったらしく人工保育されたらしい。パンチ君というその赤ちゃん猿が3月にそろそろ群れに慣れさせるためにと猿山に戻された。
それだけの話なのだが、パンチ君は大きなオレンジ色の猿のぬいぐるみといつも一緒に居る。飼育上、母猿の代わりに抱かせてるのだが、その姿がSNSでブレイクした。
ちょうどパンダが日本から居なくなった頃だったので運もあったと思うが、母親のいない小さな赤ちゃん猿が一匹で群れに慣れようと必死に生きていく毎日に心を打たれた人が多かったというわけだ。毎日餌を撒きにやってくる飼育員が姿を現すと、パンチ君が大喜びで飛びついて肩に乗ったりするので、バエることも大きな原因だろう。とはいえ私は全然興味がないのだが、毎日関連動画が流れてくるので、なぜかパンチ君の成長期を見守っている状況だ。
ともかく3月以来私のSNSには「猿、BTS、猿、猿、中国ドラマ、BTS,猿、中国ドラマ、BTS、BTS、猿、中国ドラマ…」が引っ切り無しに流れてくる。おかげで自分では学ぼうと思ってなかった中国ドラマの事情、BTSのメンバーの顔と名前と性格、日本猿の生態に詳しくなった。