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大阪ん♪ラプソディー

学習
 大阪芸術大学というところでラジオドラマの書き方や、演出を教えている。20歳前後の生徒たちと週一回会って喋ってると、いろいろ面白い。
 大阪芸大は近鉄線の喜志駅で降りて、通称芸バスと呼ばれている学校と駅をピストンしている専用のバスに乗って行く。乗り場にはひっきりなしに大型バスが発着してるのでいつ行っても困ることはない。そのバスに7、8分揺られて行けば山の上にある大学に到着する。
 先日そのバス内で2人の女子学生が話しているのが耳に入ってきた。「大阪慣れた?」「うん、まぁまぁ」と言うからには地方から来た1年生のようだった。
「大阪弁って、まだ分からんわ」「それはある」どうやら一人は香川の子で、もう一人は岡山の子のようだ。2人は大阪弁について話を展開していった。
 大阪弁のことをどう感じているのか興味があったので、知らん顔しながら聞き入ってると「大阪の人は優しいっていうか、確かにおもろいよ」「うん、でもオチとか求めてくるから怖い時もある」「あ、それは分かる」それを聞きながら心の中で「すんませんねぇ、オチないんかい?っていう大阪人はろくでもない奴なんで無視してええよ」と謝ったりもした。
 「【でんがなまんがな】って、なんか知ってる?」一人が突然言い出しだ。「なにそれ?」「なんか【でんがなまんがな】って会話の後に付けたら、大阪人でもそんなこと言わないから地方の人が頑張って喋ってるんだなと思われて、好感度上がるらしいよ」「東京の【じゃん】みたいなもん?」「そうちゃうかな」
 なんだ、何言ってるんだこの子たちは?第一彼女たちの中で【でんがなまんがな】という言葉が一つの単語になってるぞ。「あんたらな「でんがな」と「まんがな」は続けて言う言葉とちゃうで」と言ってあげたかったが、どこまで勘違いしていくのか見届けたかったので、そのまま聞いていた。
 「じゃあ、【おはようでんがなまんがな】とか言うってこと?」「【じゃん】と同じような使い方するんだったら【そうじゃん】の代わりに【そうでんがなまんがな】とか言うんじゃないかな」
 ううう、惜しい!惜しいよ。「そうでんがな、だけでええねんで、まんがな要らんねん」と心の中でツッコミを入れてたら、さすがに今どきのお嬢さんたちである携帯を出してAIに聞きはじめた。「昔の大阪弁だって、【でんがな】は~です。【まんがな】は~ます。って言葉らしいよ。別々に使うんだ」「へぇ、難しいね」
「使い方よく分からないね」
 そこで、バスは大学に着き、彼女たちは校舎へと向かって言った。もしAIがきちんと答えてくれてなかったら「ちゃいまんがな、お嬢ちゃんら。そうでんがなの後にはほんまにとか付けて【そうでんがなほんまに】って言うんやで」なんて教えていたかもしれない。いずれにしても住み始めた大阪の言葉に興味を持ってくれたことは嬉しいが、きちんと覚えてほしいものだ。でないと彼女たちが里帰りをしたときに「ただいまでんがなまんがな」なんて奇妙な大阪弁で喋りだし、そのまま定着してしまう恐れがある。それあかんがな!