特別インタビュー

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特別インタビュー vol.02



三協精器流、世界にひとつのボックスティッシュのデザイン


(有)トゥーループ・グラフィックス 大伴 圭介 氏



<略歴>
1989年、大阪芸術大学卒業。デザインプロダクションを経て1995 年、有限会社 トゥーループ・グラフィックス設立。広告の企画制作、編集物のデザインや企画を手がける。近年は大学の年史編集制作や、看護師の就職支援のためのツール制作などを手がける。

また、ボランティア活動で行っている「地域の子どもの居場所づくり」の組織のためのCI計画・VI計画や、その情報誌等も制作。

大伴 圭介 氏 デザインのチカラを再発見できた三協精器さんとのお仕事

デザインには大きなチカラがあります。人に新しい発見をさせたり、人を元気にさせたり。
デザインのチカラを再発見できた、三協精器さんとのお仕事のお話です。
弊社はグラフィックデザインの企画制作を行っています。三協精器さんとは、ボックスティッシュデザイン制作の前に、展示会でご使用のペーパーバッグ制作のご依頼をうけたのがはじまりでした。

通常、展示会でご使用のペーパーバッグは、会社のロゴマークが美しく配置されていて、展示会から帰ればゴミ箱へポイ、という扱いのものなのですが、そこは三協精器さん、一筋縄ではいきませんでした。まず、展示会以外でも使える上質なものであること、そして、なによりもデザイン的にも楽しくなければならない、三協精器という会社が伝わるもの、などといったデザイン屋を奮い立たせる「お題」を頂戴しました。

様々なデザイン案の中から「成長」を表している「植物」のイラストを起用することになり、制作サイドも一息ついたところ、三協精器さんからペーパーバッグに植物の種を装着したい、と逆提案いただき、デザイン制作者も「なるほど!」と思いました。試行錯誤しましたが、花の種の手配は大変難しく、また、発芽する種としない種の比率もまちまちで、今回は見送ることにさせていただきました。

「成長」を意味する「花の種」を逆提案いただいたとき、三協精器という会社のデザインに対する想いが理解できたような気がしました。花の種は見送ったものの、三協精器らしさの表現として「キーチェーン金具」の装着をしました。このペーパバッグには、URLを記したタグがついているのですが、それと本体をつなぐ「キーチェーン金具」は三協精器オリジナルの製品なのです。さらにはペーパバッグの底面には「根っこ」、底板にも「花の種」デザインをあしらい、とても楽しく、クオリティの高いペーパーバッグの誕生となりました。

紙袋

ボックスティッシュデザイン開発へむけての驚きの出発

楽しいペーパーバッグの完成間近、三協精器さんから「この紙袋から何かおもしろいものがでてきたら、もっとおもしろいね。」というお言葉をいただいたのが、ボックスティッシュデザイン開発の出発点でした。この発想は三協精器さんならでは、楽しいものにしなければ・・・と二度目の奮起を見せることになりました。ペーパーバッグと同デザインのものや色を変えたものなど様々な提案の中から、写真を起用したものを採用いただきました。

生きるものに対するやさしさと、着眼

ボックスティッシュに掲載している写真にはストーリーがあります。土から緑の木々になり、空へと伸びていく。そのストーリーに楽しい要素をプラスさせてくださったのも、三協精器さんの「逆提案」でした。
当初、土・木・空のビジュアルで構成していましたが、「動物を加えよう」とのご提案。またしても制作サイドは「なるほど!」と思いました。「生きるもの」に対して敬意を表しています。とくに見過ごされやすい底面の「土」のビジュアルに「モグラ」という、いわゆる「害獣」の起用を決定くださったときには、こちらが驚いてしまうほどでした。こうして写真使用面の全てに「生きるもの」の姿を入れることができました。
また、ティッシュ自体の質の高さにも相当のこだわりを見せられました。「実際に使用する人の立場でモノをつくる」これが、三協精器という会社なんだと改めて理解しました。
こうして、試行錯誤の結果、とても楽しいボックスティッシュが完成しました。

ティッシュ

東日本大震災の支援物資としてボックスティッシュが活躍

ボックスティッシュが完成して数ヶ月の後、東日本大震災が発生しました。その支援物資としてボックスティッシュを2000箱、被災地に送られたことをお聞きしました。「生きるもの」に対してのやさしさとエールを感じ、心から感動しました。これぞ三協精器 辛い時こそ助け合う心を感じました。

デザインのチカラを信じて

私は、デザインのチカラを信じています。三協精器さんとの出会いでそれは確信へと変わりました。
どんなツールでも、会社の名前が出てそれが人々の手に渡る、それは会社の「顔」になります。私たちデザイナーはクライアントの「顔」をつくる仕事をしています。その「顔」に汚れをつけるようなデザインをしてはいけません。時間と予算に押しつぶされそうな日々を送っていますが、今でも立ち止まって三協精器さんとの仕事を思い出し、原点を再確認し、いつでも再スタートを切っています。

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