ホームへ戻る > エッセイ&コラム > 大阪ん♪ラプソディー > 大阪ん♪ラプソディー【第102回】
2020年。なかなか忘れられない年になった。いや1年前の2019年に母が亡くなり、パートナーのお父さんも亡くなり、愛するラグビーW杯が大いに盛り上がり、絶対に忘れられない年だと思ってたので、まさかその次の年にこんな経験をするとは! 私の中では2019年から2020年がセットで忘れられないことになるだろう。
ライフスタイルが変わった人も多かったと思うが、私もオンライン会議とやらが沢山あった。演出者協会というところの理事と関西のブロック長をやっているのだが、普段は月いちである東京の会議になかなか行けない。「すみません〜大阪なんで」と断っていたのだが、オンラインとなると出られる。
しかも今年は文化庁から特別給付金なるものが下りて、演劇界はその申請をするやら、しないやらで大騒ぎ。会議に出ないと訳もわからない事態だった。
おかげで地方の若い演出家さんとも沢山知り合えたので、そこは良かったのだが。
会議だけではない。オンラインで稽古というのも沢山あった。主に台本を読む稽古だが、実力を知っている俳優なら画面越しでもたいして問題はなかった。発見である。「これから、これでええやん」と思うくらいだった。
演劇はともかく集まって稽古するのが第一歩なのだが、その前にオンラインで声を聞く稽古ができると、地方の俳優なんかも参加しやすくていい。新しい階段が見つかったような気分になった。
オンライン審査員というのもやった。こちらは劇作家協会の仕事で俳優が読んだ戯曲をその場で審査するという仕事なのだが、画面を見ながら、それぞれの顔を見ながら喋ると、なんだか前から友達やったか?という親近感が湧き、奇妙な具合だった。
そんなことで、私はオンラインに向いてるのかも。という自負が生まれてしまった。
なんでもフランスあたりでは、オンラインばかりで人と会わないとお洒落をしなくなるので、汚れの目立たないダークな色の服ばかり着ていては余計に落ち込むというので、ともかく白いシャツを着るという事が流行っているとか。
白いシャツを着ると気持ちが締まって明るく振る舞えるというのだ。流石はお洒落大国である。
ツイッターを見てたらドイツに住んでる人が、ロックダウン中は屋内に5人以上集まらないように言われてるが、葬式は20人まで認められてるとかで、友達から「クリスマスはターキーの葬式をするから来ないか?」と誘われたと書いてあった。世界中にアホな大人っておるんやなぁと改めて思った。
そういえばイタリア人はみんなベランダに出てカンツォーネ歌ったりしてたし、お国変わればなんとやらだ。
今年は世界中の人の生き方が変わった。2021年はどうなるのだろう。まだまだ何か起きそうだが、しっかりと前を向いて歩いていきたいと思う。