ホームへ戻る > エッセイ&コラム > 大阪ん♪ラプソディー > 大阪ん♪ラプソディー【第113回】
今年もそろそろ年末である。早いなぁという人もいるが、何度も緊急事態宣言があり、その度に演劇の興行が中止になり、自分の劇団の公演がひとつもまともに出来なかったことを考えると、けっして早いような気はしない。私には長い一年だった。
そんな事は皆が抱えているので、仕方がないが。この年末に一つ提言したいことがある。「大掃除を止めましょう!」日本人はどうして大晦日に掃除をするのか? それは分かっている。新しい年を迎えるにあたって、一年間の埃を拭い去り、さっぱりした気持ちで迎えたい。からである。
それはよく分かる。しかしそれはあくまでも「気持ち」の問題である。現実的ではない! と私は言いたい。よく考えて欲しい。大晦日は真冬なのだ! どこの国に寒い寒いと言いながら表を掃いたり、網戸を水で洗っている民族が居るというのだろうか。あまりにも非合理的だ!
会社のような組織でも年末年始の休日に入る前日が大掃除の日だ。みんなでワイワイ掃除して「これでさっぱりして新年を迎えられるな」なんて上司がにこやかに言っている中で「ゴミの収集、年内もう無いよね。どうしようかな」と女子社員が悩んでいるのをご存じないのだろうか?かわいそうに会社が休みに入っているのに、ゴミの日だからと出社する社員だっているかもしれない。
そりゃあ新年なんだから、さっぱりして迎えればいいと思う。それは屋内を片付けて、ちょっと掃除すればいいことではないのか? これは長年の疑問だ。
我が家の大掃除は5月に決行する。同じように長めの休みゴールデンウィークの直前だ。初夏なので網戸なんかすぐ乾くし、気温もちょうどいい時期だ。ゴミの収集だって普通に行われている。実に合理的ではないか!「大掃除を5月にしよう会」でも発足したいくらいだ。
そう周りに言って20年くらいたつが、未だにやっていると聞いたことがないので、何百年も続いた習慣に打ち勝つのはたいていのことではないと思うが…
ちなみに日本の悪習のひとつに「夜桜の下での宴会」がある。あれもひどい。桜の咲く時期は関西なら3月末から4月頭。春とはいえ気温的に夜はまだまだ寒い。下手したら10度を切る日もある。冷たい土の上に薄いビニールシートを敷いただけで長時間座りこむなんて狂気の沙汰だ。「花見で風邪ひいて寝込んだ」という人は沢山いる。
「今しかないから」「綺麗だから」嘘をつけ! どんちゃん騒ぎして桜なんかちっとも見てないくせに、1枚か2枚写真を撮ったら花より宴会がメインなのは明白だ。
そんなに夜桜が好きなら見に行けばいい! 写真もたくさん撮りなさいよ。宴会は別の季節でいいじゃないか。そう! ちょっと温かくて、しかも夜が爽やかな5月はどうだろう。新緑の下で宴会、いいじゃないか。ビールも美味しいし。寒い3月に飲むよりよっぽど健康的だ。そんなことで、私は「夜の宴会を5月にしよう会」も発足したいと思う。
皆さんもぜひ、ご一考下さい!