大阪ん♪ラプソディー【第138回】

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「お風呂の習慣」


 あなたはお風呂に入る時にどんな入り方をするだろうか? まず湯船につかって、ゆっくりと暖を取るタイプ? それとも一気に頭も身体も洗ってからゆっくりお湯につかるタイプだろうか?
 私は、かけ湯をしたら腰くらいまでのお湯に浸かって本を読んだり、スマホをして汗をかくタイプだ。いわゆる「半身浴」というらしいが、実は中学生の頃に親に隠れて読みたい本をお風呂に持ち込んで読むところから始まった。
 「ここやったらバレへんやろう」と呼んでいたのはフランスの著作家ジャン・ジュネの「泥棒日記」とかジャン・ジャック・ポーヴェールの「O嬢の物語」など、ちょっとエッチな小説だった。今だったらエッチなマンガを持ち込むところだろうが、昔は女の子用のそんなマンガなんてないので、少女から女になろうという時期に自然とそんな小説を読みあさっていた。
 そんな恥ずかしい告白は置いといて…それが半身浴だとは露知らず、小説を読みだして15分ほどすると汗が噴き出て来て、読んでいられないので、そこで断念してそのまま体を洗うというルーティーンが出来上がったわけである。おかげで、私は発汗のコントロールが出来るようになった。
 「え? それって半身浴やん。めちゃくちゃ身体にええやつ」と聞いたのは十数年も経ってからだった。身体に良いなら続けるかと気軽な気持ちで本を読んだり、台本を覚えたり、今ではメールでの連絡時間にして、腰湯で半身浴を続けている。
 ところで皆さんはシャワーを浴びるだろうか? 昔の映画なんかでエロチックなシーンとして女優さんが前から肩の辺りにシャワーを浴びるシーンがあるが、あんな感じだろうか? もしそうだったら、そんなエロは捨てて、是非後ろから浴びて頂きたい! というのも人間は前にしか用事がないので、どんどん肩や背中が丸くなっていくからだ。
 食事も、勉強も、パソコンも生活の何もかもが前にある用事と取り組むことになっている。だから自然と姿勢が悪くなり、肩が内側に向く傾向がある。これを少しでも防ぐために後ろに用事を作って欲しいのだが、実生活でそれを見つけるのはなかなか難しい。そこでシャワーを背中側から浴びたら「誰でもできる背伸び体操と一緒やん!」ということで、ともかくシャワーは背中から浴びて、頭を後ろに逸らして髪の毛を洗ってみてほしい。ほんの少しだが背中の血行がよくなるので習慣にして頂きたいと思う。
 なんで、こんな話を書いているかというと… 実は1月の後半から北海道は旭川の士別朝日町という極寒の地に約6週間ほど泊まりこみで、芝居を創りに行くのである。最低気温マイナス31.4度を記録したという町で、果たして私は半身浴とか背中シャワーなんか出来るのか? という問題を誰に相談したらいいのか迷っているわけである。雪国のお風呂の入り方を聞こうにも向こうのスタッフは男ばかりなのだ。第一、もっと仕事の話聞けよと言われそうで、聞きそびれている。  

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