ホームへ戻る > エッセイ&コラム > 大阪ん♪ラプソディー > 大阪ん♪ラプソディー【第15回】
あなたは子供の頃、親や周りの大人たち、学校の先生にどんな叱られ方をしただろうか?最近それがとても気になる。
というのも近所の百円均一ショップで子供が数人商品で遊んでいたのだが、母親らしき20代の女性が二人居たのだが、それを止めもせず、さりとて買うでもなく放置し、迷惑そうな店員に向かって「こんなとこに置いとくから悪いねん」と完全に逆切れのパターンで押し切っていたのを見たからだ。
私はその時、うちの旦那と一緒に居たのだがあまりの光景に唖然とした。子供たちは幼稚園くらいの年齢だった。目の前におもちゃがあり、それを手にしても叱らない親が居たら彼らはそれで遊んでもいいと思ったのだろう。「子供は悪ぅない、あれは親が悪い!」私たちはそう思った。
しかしまぁ、店の商品で子供を遊ばせておいて自分たちは化粧品コーナーでキャーキャー言っている若い母親たちを見ていると、彼女たちにあまり責任はなさそうだ。どう考えても彼女たちを駄目な母親にした原因がありそうに見える。
あの人たちは叱られて育ったのだろうか?と他人事ながら心配になった。子供時代に親に説教されるのは嫌なものだが、結局は後々自分の品性を磨く要素になる。人は教養よりもモラルが在るか無いかが最も大切な事ではないだろうか。
ああいう場合、かつての大阪では母親が「お店の物に触ったらあかん!誰が買うてくれると思うてるの?」と怒鳴ったものだった。きつい親なら「あほちゃうか!」と念を押しただろう。うちの母なら「触ったもんは自分で買いや。お母ちゃんは知らんで」と見捨てて行ったかもしれない。
それがいつの間にか「お店の人が睨んでるよ、止めときや」と他人のせいにするようになった。そして今や「置いておく方が悪い」ときたものだ。
人を叱るには責任が要る。それを回避して大人になってしまった人が子供を育てる…この悪循環がはびこりだした。困った話である。かつての大阪のオカン達はどこにいってしまったのだろう?