大阪ん♪ラプソディー【第20回】

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「区別」


 関西で言うイラチとアワテの違いについてお話しよう。どちらも行動的に何でも処理する人のことを示すのだが、本質的に違うので是非使い分けてほしい。
 「イラチ」というは、なんでも手っ取り早くしようとする人のことを言う。イライラしているように見えるから「イラチ」というのだろうか。クールな性格で、全体が見えているから、まどろっこしいことにイラつくタイプが多い。頭のいい人ではあるが、例えば人が何回もかかって運んでいる荷物を一回で運ぶ方法を考えてる間に時間が過ぎるというバカな面もある。
 「アワテ」は優しい人が多く、なんでも早くしてあげなきゃ精神で動くので目の前のことに一生懸命になりすぎる傾向がある。先輩のビールを一刻も早く注ごうとして自分のコップを倒す、みたいなドジをよくやる。一生懸命走ってるけど途中で「なんで走ってたんやったっけ?」と人に聞くような抜けているとこもある。
 簡単に書いただけではイラチがやや賢いように思うだろうが、大きい失敗はアワテより、イラチがするものである。
 私はイラチの部類だ。普段はしっかり者で通っているが、時々大失敗をやらかす。先月もそうだった。役者のギャラを10年も使っていない口座に間違えて振り込んだのである。経理担当が何度も「振込みがありません」と言うのを「何言うてるねん、ちゃんと見たん?」とイラチ特有の「自分は正しい」という感覚で対応していた。しかしよくよく調べると、パソコンに登録してた昔の口座に間違って振り込んだことが分かったのだ。
 アワテはこういう失敗はしない。何故なら普段小さい失敗が多いので、お金を任せるということがないからだ。
 どちらの人生が損か得か。大阪人は何世紀にも渡って話し合ってきたが未だに結論は出ていない。ひとつ言えることはアワテ10人に対してイラチは1人くらいの割合しか居ないということだろうか。一般的にはアワテの方が絶対多数である。そのこともイラチがイライラする大きな原因でもあるのだが。
 ちなみにアワテの中でも頻繁に大きな失敗をする人のことを「スカタン」と言う。これはまた次回にご紹介するとして、まずは自分がイラチとアワテのどちらに属するか考えてみてください。

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