大阪ん♪ラプソディー【第29回】

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「プレゼントの極意」


 先日、テレビで生け花の番組を見ていた。講師は外国人のフラワーアレンジメントを教える男性だった。北欧の方とかでクリスマスのリースの作り方を教えていた。
 「クリスマスはみんなの楽しみなので、子供たちとひと月くらい前からリースを作ったりして、徐々に盛り上げて一緒に楽しむんです。」彼は優しい笑顔でそう言った。
 ふーん。と私は意外な驚きを感じた。宗教の違いもあるが、クリスマスや誕生日というと何となくサプライズ感を重視していたように思う。なるべく本人に気取られないようにプレゼントを隠し、当日もビックリさせるように手渡す。
 いきなり喜ばせる、それが格好いいと思っていた。しかし考えてみると、何日か一人で買い物をし、当日も一瞬で終わってしまうので、悦びは強烈だが楽しい時間はとても短い。
 そこへ行くと、ヨーロッパ人の悦びはジワジワと一緒に楽しむスタイルだ。プレゼントするのは当たり前なので、そこは公開して、徐々に楽しむ。なかなか家族的でいいかもしれない。
 もっとも、知り合いの中にはとっくに前倒しタイプも存在する。友人の奥さんが異常にクリスマス好きで、旦那が仕事から帰ったら、真剣な顔つきで松ぼっくりに銀のスプレーを吹きかけていたそうだ。「ごはんは?」と聞くと、「いま大変な作業してるんが分かれへんの?ごはんなんか作ってる時間ないねん」と逆キレされたらしい。
 「クリスマスって来月やん」と反論すると、彼女は「もう来月やねんで。間にあえへんわ」と涙ぐんだそうで、仕方なく晩御飯を食べずに松ぼっくりに色をつけるのを手伝ったとか。
ヨーロッパ人の幸福感に達すのはまだまだ先のようである。
 いろんな楽しみ方があるが、冬はお歳暮選びに、クリスマスにお正月、バレンタインデーとイベントが多い。誰に何を贈るか、今から頭の片隅に入れておかないと確かに間に合わない。時々クリスマスが6月くらいやったら楽でええのにと思うのは私だけだろうか。
 クリスチャンの皆様に失礼な言い方ですが、年間通して考えるとその方がバランス的に助かるんっすよねぇ。

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