ホームへ戻る > エッセイ&コラム > 大阪ん♪ラプソディー > 大阪ん♪ラプソディー【第40回】
長年のラグビーファンであった私は、今年のワールドカップで選手たちが活躍し、人気が急上昇したことを心から喜んでいる一人だ。
だいたい今まで人気が低迷していたことがおかしい! と晴れて言える日が来るとは、なんという幸せだろう。
そもそもアジアでは断トツ王者である日本代表だが、直接身体を当てることで始まるラグビーというスポーツというでハンデがないわけがない。しかもラグビーには体重制限もない。
そんな中で闘ってきた桜の戦士たちに長年「負けても凄い!」と声援を送ってきたわけだが、今回の初戦の南アフリカ戦。その前半を10対12の2点差で折り返した時に、すでに私はスポーツバーで「これだけで歴史的快挙やねん!」と叫びまくっていた。
相手は世界ビッグ3の南ア。勝てるわけはない、しかし僅差に持ってこれたなんて奇跡だ!昔は100点以上差で負けたのだ。と頭の中で思っていたからだ。
それが目の前のテレビの画面に映し出される代表の試合は、後半なんと南アを追い込み、ついには勝利したではないか。しかも彼らは最後の最後に引き分けを選ばず、自ら勝ちに行った。
私は「この一勝だけで4年後に開催国になる価値がある!」とまた叫びまくって、泣きじゃくり、朝だというのにビールで乾杯しまくった。
このジャイアントキリング達成に沸いたのは日本だけではない。ご当地イギリスでも「ジャパンに恋してる」というファンが急増したそうだ。そして初戦では「ジャパン」というコールがかかっていたのが、三戦目、四戦目になると「ニッポン」というコールに進化していた。応援してくれた外国人が、ジャパンは「ニッポン」というのだと覚えてくれたからだったそうだ。
人生で大事なことは時々スポーツから習う。と私は思っている。演劇人だが、演劇から教わるより多いかもしれない。
多くのファンを魅了し「ジャパン」を「日本」と認識させたラグビー代表。どんな評価よりも彼らへのリスペクトを感じた光景だった。
経済界などでは、よく日本からジャパンへ、世界に通じる展開を! などと言うが、本当はジャパンから日本へという進化こそが世界に出るということなのだと改めて思った。
ラグビーファンで良かった。今年のトップリーグが楽しみだ。