大阪ん♪ラプソディー【第66回】

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「旗」


 日本人ほど節操のない民族は居ないとおもうのが年末年始である。12月24日のクリスマスから新年までの一週間でキリスト、ブッダ、八百万の神々に鞍替えするという早業をこなすのだから、実に華麗なる変身だ。神様連中もさぞ呆れているだろう。
 おまけに平成に入ってからは23日が天皇誕生日なので、クリスマスイブイブをエンジョイする人も増え、なんのための休みなんだか訳が分からない。昔は天長節と言えば日の丸の旗を家の前に飾ってお祝いしたものだったが、民主主義の元、そんな習慣は廃止になった。
 うちの実家の玄関にも旗の竿を指し込む取っ手が着いていた。子供の頃はお正月や憲法記念日に日の丸を飾っていたように思うが、ずいぶん前に改装した時に旗の取っ手も無くなった。最も今では休日に日の丸の旗を掲げていたら「あそこの家、右翼よ」なんて陰口を叩かれるのがオチだ。
 「待てよ、日本人が日の丸の旗も上げられへんのか?」と疑問に思うが、場所も旗も無いのでそのままになってしまっている。
 じゃあ日本人はいつ日の丸の旗とか持つのだろう? と考えたら、オリンピックや、サッカーの代表の応援に行く時くらいしかない。
 第一、日の丸の旗ってどこで売ってるんだ? と思ったら大きなおもちゃ屋だったりする。それも変な話だ。
 そう言えば、去年やった芝居で、舞台のセットに飾る万国旗を買った時のことだ。ネットで購入したのだが、世界30ケ国の国旗が入っているセットだった。芝居の内容上、どうしてもルーマニアの国旗が必要だったので、それを調べて買った。
 そして届いたものを飾ってみたら、なんと日本の国旗がなかったのである。「あれ? 日の丸入ってない」と誰かが言い出し、万国旗をパタパタ開いて伸ばして行ってみたが、確かにない。「わぁ、これメイドインコリアや」とスタッフが言い出した。
 ラベルを見ると、なるほど韓国製だった。選ぶのは相手の勝手なので仕方がない。単に入っていると思っていた我々が甘いのも分かっているが、なんだか考えさせられた。
 日本人は日本という国をどう思っているのだろうか? 玩具の万国旗ひとつにも主張のある韓国と、年がら年中外国のお祭りを喜んで取り入れている日本はどう違うのだろう?
 2019年にラグビーのWC、20年にはオリンピックがある。その時、私たちはどんなホスト国になるのだろう。
 あなたなら世界ベスト30ケ国をどう選びますか?  

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