ホームへ戻る > エッセイ&コラム > オリンピックロード…リオへ向けて > 【第8回】
先月、カナダ・キングストンで開催された、ヨットの世界選手権に参加した。
64カ国159名の選手が集まった。
この大会では、2016年にブラジル・リオデジャネイロで開催されるオリンピックの参加枠が9カ国に分配される。
私にとって、この大会はオリンピック選考だ。
この大会で2016リオ・オリンピック代表に内定するための条件は、国順上位9位以内であり、参加した日本人選手(5名参加)の中で最上位でなければならない。
試合会場はカナダとアメリカの間にあるオンタリオ湖である。五大湖の一つである。
オンタリオ湖の南西側にはナイアガラの滝があり、夏場は観光客が多い。
周りは緑に囲まれており、試合会場としては最高のロケーションである。
冬場は気温が低く、湖が全面凍結するのでヨットはあまり盛んではないようだ。
他国の選手もオリンピック選考を兼ねているので、会場には緊張感が張りつめていた。この雰囲気は2012年以来だ。
2012年にドイツで開催されたロンドンオリンピック最終選考のことを思い出した。
当時の実績であれば、最終選考は十分勝てるはずだった。
しかし、いざ試合が始まると結果や相手ことばかり考えてしまい、代表を逃してしまった。
忘れ去りたい過去だが、決して忘れてはならない経験だと思う。
今回もプレッシャーはあったが、自然な気持ちで大会に望むことを強く意識していた。
「やるべきことをいつも通りにこなす」これがすべて。
いつも通りやって負けるならそれが実力。
シンプルな考え方で心を整えることに集中した。
試合は7日間行われ、天候にも恵まれた。
結果は158艇中84位だった。
オリンピックの参加枠を獲得したのは55位のスペインまでだった。
今回、オリンピックの枠を逃したことは悔しいが、自分のペースで試合に望めたことは少し成長したように感じる。
今まで8回世界選手権に挑戦してきたが、今回が最高記録である。
代表には内定できなかったが、日々の積み重ねが、結果に結びついたことは評価している。
次回の選考は来年3月、アブダビで開催されるアジア最終予選。
アジアでオリンピック枠未獲得の国(日本・中国・タイ・マレーシア・バーレーン・オマーン・インド)から2カ国選出される。
もちろん、ここで負けたらオリンピックへの道は閉ざされる。
必ず勝って、オリンピック本番の様子を最後のエッセイに綴りたい。
今後もオリンピックに向けて活動します。
引き続き、応援宜しくお願いします。