オリンピックロード…リオへ向けて【第9回】

オリンピックロード…リオへ向けて

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「リオ五輪が危ない!!」


 先日、インターネットを見ていると、「選手らが嘔吐! リオ五輪会場」という見出しのニュースが掲載されていた。
内容は、ボート・カヌー競技の会場であるロドリオ・デ・フレイタス湖の話である。
この湖は、セーリング競技が実施される会場と非常に近く、私にとって人ごとではない。

 水質汚濁の影響で、約スプーン3杯分の水でも体内に入れば、ウイルスに感染するそうだ。
この影響で魚の死骸が37万トン、既に回収されている。

 私は2014年8月、オリンピック本番の2年前に実施される大会、「プレプレ五輪」に参加した。
リオ五輪セーリング競技の会場はコパカバーナビーチ前だ。
海には沢山のゴミが浮いてた。
陽気な南米人は夜遅くまでビーチで盛り上がり、ゴミを海に捨てて帰ることが日常的で、ビーチにはたくさんのゴミが落ちている。

 またセーリング競技は、ビーチを基準に、北と南に2つのエリアが準備されている。
北エリアは通常の青い海、南エリアは茶色の海だった。
南エリアでは生活排水が直接、海に流れているため、汚濁が進んでいるようだ。
レース会場には掲示板があり、通常は試合での諸注意や、ルール変更などを掲示する為に設置されている。
この掲示板に「南エリアの競技者は海水に肌や傷口をつけないこと」という項目が掲示されていた。
こんな警告が出されたのは未だかつてない。
しかし、そんなことを言われても、競技中に海水をさけることなどできるわけがない。

 私たちアスリートは、四年に一度のオリンピックで真剣に競い合い、その姿をみた観客に感動を与えることに魅力を感じている。もちろん感動を与えるには環境の良い綺麗な海で堂々と競技することが重要である。

このニュースによって世界中の人々が環境への配慮をもう一度見直してくれることを心から願う。

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