ばね百科事典
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ばねの3つの特性
- ばねの代表的な3つの特徴
ばねが物体の持つ弾性を利用していることは、『ばねの弾性とは?』でご説明しましたが、ばねの代表的な3つの特性は以下のとおりです。
①力を加えると変形し、力を取り除くと復元する
②エネルギーを吸収・蓄積し、放出する
③固有の振動数を持っている
- 特性① 力を加えると変形し、力を取り除くと復元する
ばねの特性①は、ばねに力を加えていくとばねが変形し、力を取り除くと元のかたちに復元するというものです。
この変形と復元という特質は、ばねの最も基本的な特性です。
- 特性② エネルギーを吸収・蓄積し、放出する
ばねの特性②は、力によってばねが変形するときにエネルギーを吸収・蓄積し、その後に蓄積したエネルギーを放出するというものです。
弓を引いているときは、弓にエネルギーが蓄積されている状態で、引いた手を離して矢を放つと弓に蓄積されたエネルギーが矢を遠くへ飛ばす力になるのです。
- 特性③ 固有の振動数を持っている
ばねの特性③は、ばねが変形した状態から元の状態に戻るときに固有の振動が生じるという性質です。このばねの弾性が持つ振動の一定の周期を固有振動数といいます
固有振動数は、ばねの種類や材質、大きさなどによっても異なりますが、一般的には硬いほど早く振動し、柔らかいほどゆっくりと振動します。
また、ばねを利用している機械などでは、機械の振動数とばねの振動数が合致すると、振動が急激に増大するという共振という現象を引き起こします。一般的には、機械動作の不安定や振動による破損を防ぐために共振を起こさないような固有振動数になるばねを設計します。
一方、最近建物に使われる制振装置は、ばねと質量の組み合わせを調整して、建物の固有振動数をコントロールすることによる制振効果を得るような取り組みもなされています。

